学習において暗記は重要なパートを占めています。まずはなぜ暗記が重要なのかを伝える必要があります。
中学生が覚えるべき英単語数は、公立の中学で1800〜2000単語と言われています。1年間で600単語です。では1日で何単語覚えなければいけないかを子どもたちに問うわけです。「1日2単語じゃ受験本番に間に合わないから3文字かな、そのくらいなら覚えられそうだな」と自分たちで理解してくれます。もちろん中には2000単語と聞いただけで萎えてしまう子もいますが、「2000単語の中には”a”とか”the”も入ってるから大丈夫だよとフォローし、認識のズレを埋めてあげます。覚えろと言われたから覚えるのではなく、それが必要だと自分で納得して覚える方が、暗記の学習はうまくいきます。
暗記とは脳科学的にどういうことなのか、インプットとアウトプットの作用、ドーパミンを増やしてやる気を出そう、やる気がなくても掛け算3つでもいいから何かやり始めよう、というような講座を、ワークも入れて丸1日かけてやります。「つべこべ言わずに覚えなさい」と言っても覚えられません。暗記とは何か、理論だって教わることで、なんとなく腑に落ちるのです。
「五感で覚える」
ワークでよく用いる暗記術に、五感で覚えるという手法があります。例えば、次に言う単語を覚えてもらいます
「太陽、黒板、カブトムシ、マニキュア、焼肉、カツラ、雪、バット、鳩、ルーレット」 |
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耳で聞くだけではなかなか覚えられませんが、自分の中で勝手にイメージするんです。黒板に向かっていて、外は太陽が眩しい、そこにカブトムシが飛んできて…と言う具合ですね。
また、どうしても覚えられない単語を好きな香水のにおいとセットで覚えるといった一見変わった暗記の仕方もあります。思い出すために嗅覚を使うということですね。
「パターン化」
暗記が苦手な生徒には、少しでも暗記を楽にする方法を伝授しています。例えば、英語の不規則動詞の中にも、実は規則性があって、パターンにすると4つしかないんだよ、と教えます。偏差値50を超えない生徒には、こういう基礎的なところから頭に入れさせ、少しずつ枝葉をつけていきます。
「クイズ形式で遊び感覚で暗記する」
暗記自体がつまらなく、ぜんぜんやる気になれないという生徒には、マンツーマンの一問一答クイズがいいと思います。まずは1〜5問覚え、次に6〜10問、積み上げ方式で覚えます。1〜20問すべて暗記し、順番を入れ替えても答えられたらクリアです。手間はかかりますが、これでやる気になる生徒もいます。
「マンガや動画、アプリなどを取り入れる」
歴史や古文は、マンガやYoutubeにいい教材がたくさんありますね。また、歴史は流れが大切なので、流れ図で覚え、それを自分の言葉で説明させるのも効果的です。選択肢は昔と違ってたくさんあります。もちろん書いて覚えるのもよし、アプリでゲーム感覚に覚えるのもよし。
暗記術をいくつかご紹介しましたが、正しい暗記方法が決まっているということはありません。やり方はいくつかあって、それぞれに合うものを選んであげなければいけません。とはいえ、情報収集したり比較したりする時間が十分にはないと思います。
そんな時には、もしかしたら大学生講師がいい方法を知っているかもしれません。いい動画を知っているかもしれません。自分がやってきた方法や古い価値観にとらわれず、新しい意見やツールをどんどん取り組んでください。検討に時間を費やすくらいなら、まずは使ってみて、良さそうだと思ったら選択肢に加えてみる、といったスピード感がイマドキだと思います。